第18回 教えてウメッティ!
子どものサッカーで悩んだ時に開く100の扉」


 

「俺、 もうチームやめる」

 

練習試合の終了後、ジュニアは戻ってくるなりそう言った。
 
一週間前……。
 
チームは大きな大会につながる予選で敗れた。
以後いままで以上に練習は厳しさを増し
コーチの指示出しも一層棘が立つように。

 
「もう嫌なことは言われたくない」
 
それはジュニアが初めてした自己主張。
 
でもそうなる予感は5年生になってすぐの頃からあった。
 
強くなり、それなりに結果が出るようになるに連れて
チームから求められるのは
「どれだけチームの勝利に貢献できるか」に変わった。

 
もちろんそれも大切な事。
 
でもミスをすれば
「下手くそ!」「おまえが入るとリズムが狂うんだよ!」「サッカーやめて他のスポーツやったほうが良いんじゃね」「てめえのミスで‥‥」

 
毎日のようにそんな言葉ばかり投げつけられるようになった。
 
負ければ罰走。
 
軍隊張りに全員腕を後ろに組ませてのミーティング。
 
そんな事ばかり繰り返していてサッカーが楽しくなるだろうか。
 
もちろんモチベーションの高い子ならば
悔しさをバネにして頑張るに違いない。
コーチの狙いもそこにあるのかもしれない。
自分も、少し前までは似たような接し方をしていたからそれはよくわかる。

 
でもジュニアの受け止め方は違った。
 
ジュニアにとってサッカーは仲間と会える場所。
いまは「サッカー」というスポーツの楽しさより
「友達と会える、遊べる」そんな楽しさが頑張れる力の源。

 
彼は、サッカーも好きだし、ドラゴンボールも好き、ゲームも好きな“普通の子供”なのだ。
 
3ヶ月以上、「やめる」「やっぱりがんばる」の話し合いを繰り返した。
 
「友達がいるから」、「やっぱりみんなと会いたいから」と‥‥。
 
でもチームが強くなればなるほど
ジュニアにとって「遊び」の場だったチームは「競争」の場に変わった。

 
仲間と楽しく遊ぶ事よりも
仲間を蹴落としてレギュラーになる事を
優先しなければいけなくなった。

 
ただ純粋にサッカーを楽しめる環境はもうない。
 
だから……
 
ジュニアにとっての楽しさがなくなった場所には
もういたくなくなったのかもしれない。

 
この先どうなるか。
 
チームはどうする?
 
サッカーはどうやって続ける?
 
何も決まっていない。
 
でもとにかく「もう行かない」の一点張り。
 
一週間後、コーチに挨拶に行く事も拒否したまま退部届を出した。
 
決断を止める事はなかった。
 
遅かれ早かれ、こういう日が来ると何となく思っていたから。
 
本当に良かったのかどうかはわからない。
 
甘やかし? 厳しさが足りない?
 
でも、もうこれ以上無理に続けさせることはしないほうが良い。
 
サッカーをもっと好きになって欲しいから。
 
別のアプローチでその道を探るほうが得策。
 
そう思った。
 
でも‥‥。
 
ジュニアと同じように、自分もまだ悩みの中にいる。
 
 

教えて、ウメッティ!

 

つづきは11月18日(火)公開!!
 

 
 

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